上場企業の経理に転職したいけど、未経験だと難しいかな…
未経験で上場企業の経理に転職できるの?
上場企業で経理やりたい、でも未経験でいきなり上場企業へ転職できるのか?
そんな疑問を持っていないでしょうか。
上場企業の経理なんて、未経験だと採用されるわけがない…
そう決めつけている人もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな経理未経験だけど、上場企業の経理が気になる人、転職したいと考えている人に向けて、上場企業の経理に転職する方法を解説します。
経理未経験で、上場企業の経理に転職することは、正直難しいです。しかし不可能ではありません。
「転職できる可能性がある上場企業」を知り、その企業を狙って転職活動すれば、上場企業経理への転職の可能性が高まります。
今回の記事では、上場企業の経理に転職する具体的な方法について、現役東証一部上場企業の経理部長が、詳しく解説していきます。
経理の転職で、上場企業の経理が気になっている方は、ぜひ記事をチェックしてみてください。
☞この記事の解説者:経理部IS
・元上場企業の経理部長です
・私自身、経理の転職を6回経験しています
・中途採用の書類選考・面接官もやっています
Contents
未経験で上場企業の経理に転職する方法

未経験でも上場企業の経理に転職するには、未経験でもいいから経理人員を採用したい企業を知る必要があります。
その企業とは、
①グロース、スタンダードの新興企業
②事業部門の経理を持つ大手上場企業
③成長著しい業界の上場企業
この3つです。
さらに、
・上場企業の子会社から、上場している親会社へ出向、転籍する
このような方法もあります。
グロース、スタンダードの新興企業
東証グロースやスタンダードへ上場しているベンチャー企業は、未経験であっても経理へ転職できる可能性があります。
上場ベンチャーと言われる企業は、
・急成長して上場することはできたが、
・人員は100人前後でまだ会社規模はそれほど大きくなく、
経理の人員が不足している場合があります。
また、さらなる事業拡大を目指している過程で、経理の人員を補充するために、求人を出す場合も多くあります。
このように、上場ベンチャーでは、常態化している経理の人員不足の状態を早期に解消したいため、未経験であっても経理を採用する場合があります。
事業部門の経理を持つ大手上場企業
大手の上場企業になると、各事業部門を設置している場合が多くあります。
たとえば、
・○○開発事業部
・△△海外事業部
・◇◇国内事業部
といった数多くの事業部門を設置しています。
そして、それぞれに事業部門において、経理業務が発生します。
事業部門ごとに、
・売上管理
・顧客への請求
・債権債務の管理
・経費精算
・固定資産管理
などの経理業務が行われます。
上場企業の事業部門では、この経理業務を担当する人を中途で募集する場合があります。
そして経理未経験者は、この中途採用枠で転職できる可能性があります。
※参考:事業部経理の求人

出典:MS-Japan求人より
上場企業の事業部門で発生する経理業務は、決算などの専門的業務とは違い、基本的な簿記の知識があれば対応できますので、未経験者にもチャンスがあります。
ツイッターでも、上場企業の事業部へ転職することができることを投稿したところ、大きな反響がありました。

この投稿に記載の通り、事業部門の経理では、現場重視で前職に同じ業界で働いていた人が、採用される可能性があります。
事業部門はビジネスの現場に近いこともあって、そのビジネスが分かっている人ほど経理の仕事をしっかりこなせると考えれらています。
ビジネスが分かっている人ってどんな人?
ビジネスが分かっている人とは、どういう人でしょうか。
それは、
ビジネスが分かっている人=前職で同じ業界の仕事経験ある人
ということができます。
ということは、経理未経験であっても、前職で同じ業界の仕事経験があれば、上場企業の事業部門経理で採用される可能性があるのです。
たとえば、前職の仕事が、
・アパレル関連の業界であれば、アパレル会社の事業部門経理へ
・石油資源関連の業界であれば、同じ石油会社の事業部門経理へ
・冷凍食品関連の業界であれば、同じ冷凍食品会社の事業部門経理へ
といったような上場企業へ転職できます。
未経験であっても上場企業の事業部門の経理であれば、転職できる可能性は高いのです。
なお、事業部門と違って、上場企業で本社経理部門では、
・決算
・税務対応
・開示業務
といった専門的な仕事をします。
これらの仕事をする人を募集する場合、会計税務の専門的知識が必要であるため、経験者の採用が優先されます。
残念ながら経理未経験者は、上場企業の本社経理への転職はかなり厳しいということは知っておく必要があります。
成長著しい業界の上場企業
上場企業といっても、さまざまな業界・業種の企業あります。
今成長著しい業界や、安定している業界、これから廃れていく業界さまざまです。
その中でも、この数年IT企業は、成長著しい業界として常に人員を増やしています。
ここ数年のIT業界の採用状況を見てみましょう。

IT・通信業種の求人倍率5倍を超えている状況であり、転職者にとっては超売り手市場です。
そして、IT企業はエンジニアのみならず、IT企業の経理も同様に求人数が多い状況にあります。


成長著しい業界にあるIT企業は、事業拡大も早く、それに合わせて経理の人員の採用も行われています。
しかし、転職活動をしている経理の経験者は一定数であり、それほど多くはないため、成長著しい業界のIT企業は、すぐに経験者を採用することは困難な状況です。
そこで、未経験であっても、経理の仕事に必要な簿記などの資格があれば、積極的に採用している状況にあります。
このような成長著しい業界にある企業、未経験でも経理で採用される可能性がありますので、積極的に狙っていくことをオススメします。
子会社から上場している親会社へ出向・転籍する場合
上場企業に転職するのではなく、その子会社経理へ入社し、その後親会社である上場企業へ出向、転籍するといった事例もあります。
これは、時間がかかるのですが、子会社経理でしっかり実績を残せば、親会社の経理から声がかかり、上場企業である親会社へ出向・転籍することができます。
私の場合、未経験で上場子会社経理に入社しました。
そこから頑張って成果を出したら、上場企業の親会社へ転籍できました。
親会社である、上場企業の経理部門でも人員不足の企業が多く、できれば実績がある人を採用したいと考えています。
そこで、子会社で経理の仕事ができる人がいると分かれば、すぐに親会社へ引き抜こうとするということも多いのです。
可能性としては低いかもしれませんが、このような子会社から親会社の上場企業へ出向、転籍できるチャンスがあるということも理解して、転職先を選ぶことも検討してみてください。
上場企業の経理のメリット

上場企業の経理、どんなところがいいのかな?
上場企業の経理にはさまざまなメリットがありますが、ここでは上場企業の経理で働くメリットについて解説していきます。
経理のスキルアップができる
上場企業の経理では、
・経理の専門的知識を身につけることができる
・経理スキルをアップさせることができる
という大きなメリットがあります。
上場企業の経理経験は、自分の経理スキルアップに最適なのです。
経理業務の中でも上場企業の経理は、
・専門的な会計基準に触れることができる
・決算開示業務に携わることができる
・企業に必要な税金の知識を得ることができる
・最新の会計等のシステムに触れることができる
そして、このような経験を積みスキルを身につけたら、
・さらにレベルの高い企業への転職ができる
・年収の高い企業への転職を目指せる
といったことも実現可能です。
上場企業で自分の経理スキルをアップさせ、そしてさらにレベルの高い、年収の高い企業へステップアップできるようになる。
これが上場企業経理のメリットです。
社会的信用度が高い
住宅ローンなどを組もうとする場合、上場企業の社員であることがかなり有利になります。
上場企業は、知名度が高く、だれでも会社の業績をチェックすることができて信用度が高い、というのが一般的です。
そして信用度が高い企業に勤めている人は、銀行からも信用され、銀行側としても安心してお金を貸す事が出来ます。
その結果、住宅ローンなどの審査が通りやすいといったことが実現できます。
(働いている上場企業によっては、借入の金利までもが安くなる場合もあります。)
これは、上場企業で働く大きなメリットです。
福利厚生も充実している
上場企業で意外と気づかれないのが、福利厚生の充実です。
上場企業の年収はそれなりに高い傾向にありますが、それ以上に福利厚生が充実している場合が多い状況にあります。
たとえば、
・退職金制度
・長期休暇制度
・旅行や保険の割引
・社食やカフェのサービス
などがあります。
従業員の働くモチベーションを上げて、さらに業績をアップさせることを目的として、このような福利厚生を充実させている上場企業が多くあります。
従業員側としても、できれば働きやすい環境で仕事をしたいですね。
働きやすい環境で、仕事できることが上場企業のメリットの1つと言えます。
上場企業の経理は難しい?

上場企業だから経理の仕事も難しいんだよね・・・
上場企業の経理に転職できても、仕事についていけないのは嫌だな・・・
上場企業だと経理の仕事が難しいのでは?
と考える人も多いかと思います。
実際に上場企業の経理で、難しいと思われる仕事は、
・決算業務
・開示業務
・税務業務
・監査対応
といった仕事です。
決算業務は、会計基準を理解して連結決算などの作業を行わなければなりません。
開示業務は、決算短信や有価証券報告書など、決算や企業の状況を開示するために知識や経験が必要になります。
税務業務は、税法を理解し、複雑な税金計算を行わなければなりません。
監査対応は、監査法人が企業の経理状況の監査をする際、自社の状況を説明したり、監査法人と社内の意見調整をしたりと、会計知識に加えコミュニケーション能力も必要になります。
やっぱり上場企業の経理、難しいな・・・
難しいと感じる上場企業の経理の仕事は、一定の経験を積んんだ担当者が行うことになります。
経理未経験者が、いきなりこのような経理の専門業務を担当することはありません。
冒頭でも解説しましたが、経理未経験で上場企業へ転職する場合は、
・売上管理
・顧客への請求
・債権債務の管理
・経費精算
・固定資産管理
といった、簿記の基礎知識があればできる仕事を担当することなります。
まずは、このような経理の基本となる仕事から始めますので、「難しそうだから上場企業の経理はやめとこう」などと考える必要はありません。
未経験者の場合、上場企業であっても基本的な経理の仕事からスタートします。
その後、スキルをアップさせていけば、決算、開示や税務などの仕事にも携わることができます。
※参考記事:経理って難しそう…未経験者が気になる経理の仕事内容を、現役経理マンが全解説
上場企業の経理へ転職するために準備すべきこと

上場企業の経理へ転職するために、準備しておきたい事項は3つあります。
・簿記の資格取得
・上場企業の経理に強い転職エージェントへ登録
・上場企業への転職支援サービスを利用
簿記の資格取得
簿記の資格は、経理へ転職するためには必須といえます。
簿記の資格の勉強をすることで、経理の仕事に必要な簿記の知識を得ることができるため、どの企業でも経理の採用では、簿記の資格を重要視しています。
特に上場企業の経理採用では、簿記2級または3級があることが、応募の条件になっている場合もあります。
※東証一部上場食品メーカーの求人例

※マザーズ上場システム開発会社の求人例

出典:MS-Japan求人より
そもそも求人に応募できなければ、転職できる可能性も低くなります。
上場企業の経理に転職する可能性を高めるためにも、まず簿記2級または3級を取得して準備しましょう。
※参考記事:簿記2級・未経験からの経理の転職にゼッタイ有利!【現役経理部長が解説】
上場企業の経理に強い転職エージェントへ登録
上場企業へ転職するためには、転職エージェントに登録して、求人を紹介してもらう必要があります。
そして、転職エージェントは、
・経理に強い
・上場企業の求人を多く保有している
といった特徴がある転職エージェントを選択する必要があります。
「経理に強く」、「上場企業の求人を多く保有している」という条件を満たす転職エージェントは、
この2つです。
経理特化型の転職エージェントMS-Japan
MS-Japanは、経理などの管理部門に特化した転職エージェントということもあり、経理の求人を多く保有しています。
最近では、上場企業の採用担当者の知名度も高く、上場企業で経理の採用をする場合、まず最初にMS-Japanに求人を出すことが多い状況です。
※参考記事:経理の転職エージェント【MS-Japan】評判と体験談|転職6回経理マンがすべて解説
上場企業の経理に転職する場合には、まず初めに登録しておきたい転職エージェントです。
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上場企業の求人数はトップクラスdoda
dodaは、パーソルキャリア株式会社が運営している、人材紹介の最大手です。
最大手というだけあって、上場企業の求人はかなり多く保有しています。
経理のみならず、営業職・システム開発などすべての職種の求人を紹介してくれる、いわゆる総合型といわれる転職エージェントです。
dodaは、圧倒的な求人数に加え、履歴書添削や模擬面接などの転職者に対する無料フォローサービスが充実していること、担当者の物腰が柔らかくサポートがしっかりしているという特徴もあります。
※参考記事:転職エージェントdoda(デューダ)の評判と体験談|転職6回の現役経理マンが解説
優良な上場企業の求人を多く保有していますので、上場企業の経理へ転職する際には、必ず登録すべき転職エージェントです。
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上場企業の経理へ転職する場合は、転職エージェントの活用が必須です。
※参考記事:経理の未経験者が転職エージェントを利用すべき3つの理由【現役経理マンが解説】
※経理の転職に強いおすすめのエージェント!未経験でもできる?転職事情を解説
上場企業への転職支援サービスを利用
未経験から上場企業の経理へ転職は、残念ながら簡単にできるものではありません。
上場企業の経理に転職するために、
・前述した、未経験でも採用されやすい上場企業を探し、企業研究をしたり、
・上場企業への転職に向けたスケジュールを組んだり、
・書類選考対策や面接対策をしたり、
とさまざまなことを、自分で行わなければなりません。
実際のところ、上場企業の経理への転職に向けた準備を一人で行うには、かなり大変だと言えます。
そこで、検討すべきことは、これらの準備をサポートしてくれるサービスを活用することです。
たとえば、転職のプロがサポートしてくれる 「マジキャリ」 などを活用すれば、
「転職できそうな上場企業の探し方や企業研究」
「転職スケジュール」
「上場企業に採用されるための履歴書などの書き方や面接対策」
といった転職に必要な準備について具体的にアドバイスしてもらえます。
転職支援サービスのサポート一覧
・自己分析サポート |
・将来のキャリア設計サポート |
・転職までのスケジュールサポート |
・会社や業界の研究サポート |
・履歴書や職務経歴書作成サポート |
・求人媒体の選び方サポート |
・面接対策サポート |
アドバイスなどのサービスは有料ですが、効率良く、かつ早く転職成功したい場合は、この転職支援サービスを利用するのがオススメです。
効率よく、転職成功を目指すなら、転職支援サービスの活用も必要です。
※関連記事:有料の転職相談・支援サービスを徹底解説!|転職6回経験者が使い方をアドバイス!
まとめ

今回は、未経験から上場企業の経理へ転職する方法について解説しました。
経理未経験で、上場企業の経理に転職することは、実際のところ難しいですが、不可能ではありません。
上場企業でも、
・マザーズ、ジャスダックの新興企業
・事業部門の経理を持つ大手上場企業
・成長著しい業界の上場企業
といった企業では、未経験でも経理として採用される可能性があります。
特に、新興企業や成長著しい業界のIT企業などでは、経理の人員が慢性的に不足している場合があり、積極的に未経験者の応募も受け付けています。
また、大手上場企業の事業部門の経理は、前職の経験が重視されて、経理として採用される場合もあります。
そして上場企業の経理へ転職するには、
経理に特化している転職エージェントMS-Japanに登録して、未経験可の求人を紹介してもらいましょう。
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人材紹介大手の転職エージェントdodaは、業界でもトップクラスの求人を保有しており、上場企業の求人の数もかなり多くありますので、転職チャンスを広げるために、dodaへも登録することをオススメします。
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未経験から上場企業の経理へ転職は、残念ながら簡単にできるものではありません。
上場企業の経理に転職するためには、
・転職可の求人の探し方
・企業研究・転職スケジュールの検討
・履歴書などの書き方の研究
・面接対策
などやることが多くあります。
これらを一人で対応するには、かなりの時間と労力がかかりますので、「転職プロの支援サービスhone」を活用するのも一つの手です。
※関連記事:有料の転職相談・支援サービスを徹底解説!|転職6回経験者が使い方をアドバイス!
未経験から上場企業経理への転職は難しい状況にあります。
しかし、
・経理のスキルアップを目指すことができたり、
・充実した福利厚生を受けることができたりと、
経理としてのメリットも大きいので、ぜひ転職先の候補として検討してみてください。