みなさん、経理のイメージってどんなでしょう?
・なんか難しそう
・数字に強くなきゃダメ
・コツコツ作業する感じ
・真面目で無口な人がやってそう
一般的には、経理ってこんなイメージがありますね。
確かに、経理の仕事では常に数字を扱いますので、
「数字を見るが嫌だな、めんどうだな」
と思う人は、経理の仕事に向いてないかもしれません。
また、経理の仕事では、パソコンに向かって計算作業をすることが多いため、他の仕事に比べると、静かにコツコツと仕事をしていることが多いのも事実です。
このように、経理の仕事は数字を扱って、コツコツ作業をしているという、ちょっと地味なイメージがあります。
しかし、実際には経理の仕事はいろいろあり奥深いんです。
また、「なんか難しそう」というイメージもありますが、経理の未経験者でも安心してはじめることができる仕事もあります。
(決算といった難しい仕事があるのも事実ですが)
経理の仕事って、具体的にどんな感じなんだろう?
といった疑問を持つ人もいるでしょう。
そこで今回は、
経理の未経験者に向けて、経理ってどんな仕事なのか、具体的に分かりやすく解説していきます。
未経験者ができる経理の仕事内容もしっかり解説しますので、ぜひチェックしてください。
現役の東証一部上場企業の経理部長が、今行われている経理の仕事について説明していますから、仕事の実態もよくわかりますよ!
☞この記事の解説者:経理部IS
・現役の東証一部上場企業の経理部長です
・中途採用の書類選考・面接官も担当しています
・何度も、経理未経験者を採用したことがあります
Contents
経理の仕事内容

経理の仕事を実際にやったことがない人にとっては、具体的にどんな仕事をするのかイメージしずらいですね。
そこで、経理の仕事を理解してもらうためにも、具体的に仕事内容を解説していきます。
現金管理業務
会社では、文房具を買ったり、お客さんへ出す飲み物を買ったり、日常のちょっとした支払のために、現金を準備しています。
日常発生する支払いのために、金庫から現金を出して少額の支払いをしたり、支払いした時のレシートを保管して帳簿に記録します。
この日々の現金の出し入れをして、残高を管理する仕事が、現金管理業務です。
未経験者が初めて経理の仕事をする場合、最初に任せられる仕事の1つです。
ただし、最近はキャッシュレス時代ですので、この仕事自体少なくなってきています。(中小の会社ですと、まだこの現金管理の仕事は多いんですが)
経費精算業務
従業員が出張に行ったとき、出張時の電車代やホテル代の領収書を受け取って、出張費を精算する場合があります。
また、従業員が取引先を接待したとき、飲食代としての領収書を受け取ってその飲食代を交際費として精算する場合があります。
このとき、出張費や交際費の金額は正しいか、社内の決裁を正しく受けているかなどを確認して、経費の支払いを行う仕事が、経費精算業務です。
この経費精算業務は、ある程度経理の仕事に慣れてきたら、担当する業務です。
一定の簿記の知識があれば、すぐに対応できるので、比較的若手の方が担当することが多いです。
支払処理業務
会社で必要な備品を購入したり、商品を仕入れたりした場合、その代金の支払いが必要となります。
例えば仕入先から、商品を仕入れた日の翌月末までに、商品代金の支払をお願いされた場合、その支払期日に合わせて、銀行口座へ振り込みするなどの支払処理をします。
そして支払った内容を帳簿に記録します。このような一連の作業が、支払処理業務となります。
この支払処理業務は、どの会社でも日常的に行われます。
毎月ほぼ同じ作業をしますので、処理の流れを覚えてしまえばそんなに難しくない業務です。
未経験者が経理の仕事をする場合、最初に任せられる仕事の1つとなっています。
入金処理業務
会社でお客さんに商品を売った場合、その商品の売上に対して代金を受け取る必要があります。
そして代金の受け取りは、売上の日の翌月末など期日を決めて、自社の預金口座へ振り込みをお願いすることが一般的です。
そのとき、売上に対する代金が正しく入金されているかチェックし、入金の内容を帳簿に記録するのが、入金処理業務となります。
この入金処理業務も、支払処理業務と同様にどの会社でも日常的に行われます。
毎月、商品などの売上が発生しますので、基本的に毎月同じ処理をすることになります。
入金処理業務も、処理の流れを覚えてしまえばそんなに難しくないです。
未経験者が経理の仕事をする場合、最初に任せられる仕事の1つとなっています。
固定資産管理業務
会社では、工場を建てたり、機械装置を購入して製品を製造したりします。
この工場や機械装置といった購入金額が大きい設備は固定資産として、資産管理台帳と帳簿に記録しなければなりません。
この固定資産を購入したときに、資産管理台帳と帳簿に記録するのが、固定資産管理業務となります。
固定資産管理業務では、購入した資産が固定資産に該当するのか、費用として計上するのかを判断する必要があります。
この判断は、ちょっと難しいため、経理未経験者がいきなりこの業務を行うことはありません。
ある程度経理に慣れてきたら、次のステップとして、この固定資産管理業務を任せられることになります。
仕訳伝票作成入力業務
会社では、以下のような取引が日々発生します。
・文房具を購入して支払する
・従業員の経費精算する
・商品を仕入れする
・商品を売上げする
・機械装置などの固定資産を購入する
このような取引は、仕訳伝票を作成して帳簿に記録しなければなりません。
そして、帳簿に記録するには、会計システムで仕訳伝票を作成・入力する必要があります。
どの業務であっても、経理では仕訳伝票を作成する必要があるんですね。
そのため、未経験者が経理の仕事を初めて行う場合、まず最初にこの伝票作成の方法を覚えなければなりません。
伝票作成は、経理の仕事でも基本中の基本なのですが、ある程度の簿記の知識が必要となります。
経理の仕事で、簿記の資格が必要と言われるのは、この伝票作成をするためなんです。
決算業務
決算業務とは何か?を分かりやすく説明すると、
・一定の期間ごとに、会社の業績や財産の状況を集計し分析する業務
・集計した結果を書類にまとめ、社内外に開示する業務
このような業務をいいます。
一定の期間で、
・会社はどれだけ売上を上げて利益を計上したのか?
一定の期間の末日に、
・会社にどのような財産が残っているのか?
このような情報を集計して書類にまとめ、集計した数値を分析し、社内外に開示する業務が会社の「決算」です。
経理の未経験者は、この決算が「難しそう」と感じるかもしれません。
実際のところ決算業務は、難しいです。
決算は、経理や税金計算の知識・経験が必要な業務で、難易度は高いため、経理の仕事を数年続けてきた人が任せられることが多いです。
この決算業務までできれば、経理プロです。
このレベルになると、年収も上がり、会社でもかなり重宝されますので、経理の仕事をする方は、最終的にこの決算業務ができるようになるのが目標となります。
経理の仕事はやりがいがある

経理の仕事は、ちょっと地味なイメージがありますが、会社の経営を支えるという重要な仕事でもあります。
経営を支えるという重要な役割を持つ経理、実際にどんなやりがいがあるのか見ていきましょう。
経営者に近い立場で働ける
経理は、会社の経営状態に関する数値を扱うため、経営者から業績状況などの質問を受けることがよくあります。
さらに、経理で持っている経営に関する情報を経営者に提供したり、場合によっては意見を述べたりと、経営者のサポート役として活躍できるので、非常にやりがいがあります。
経理の仕事は、ホントに経営に近い立場で働けるというのが、やりがいにもつながりますね。
専門性が高く、一生の仕事にできる
経理の仕事は、他と比べても専門性が高いものがあります。
特に決算業務などは、専門的であるために50代以上の人が経理で活躍している場合もあります。
また経理の仕事は、基本的な作業はどこの会社でも同じような流れで進みます。会社によって仕事内容が大きく変わるということはありません。
このため、一定の経理の知識があれば、別の会社へ転職したとしても、すぐに仕事に慣れて、活躍することもできます。
経理は専門性が高いため、どこの会社へ行っても一生の仕事としてやっていくことができる仕事です。
経理の知識は、経理以外でも役に立つ
経理の知識は、経理の部署以外でも役に立ちます。
例えば、各部署で予算を作成するときなど、経理の知識が必要になってきます。
また、決算業務を通じて決算書を読めるようになれば、その知識は株式投資にも生かすことができます。
経理の仕事を通じて得た知識は、他の部署でもプライベートでも役に立つので、非常にお得とも言えます。
経理の仕事で必要な資格

経理の仕事をするとき、資格がないと仕事ができないということはありません。
資格がなくても、経理のプロとして活躍している人もいます。
しかし、未経験から経理の仕事をはじめる場合には、資格を取ることをオススメします。
そして、未経験の方がまず最初に取るべき資格は、「日商簿記3級」です。
この資格をオススメする理由は、
・資格の勉強を通じて、経理に必要な基礎知識を身に付けることができる
・最低限の経理の知識があることを証明することができる
ということです。
また、実際に経理へ転職をするときにも、資格を持っていることが有利に働きますので、最優先で「日商簿記3級」の資格を取りましょう。
【参考記事】経理未経験者は要チェック!転職に有利な資格は3つ!
簿記の勉強法
日商簿記は、1、2、3級がありますが、まずは経理の仕事で知っておくべき基礎知識が学べる3級を取るところからスタートします。
資格の勉強は、
・スクールなどの講義を受講して勉強する方法
・自分で参考書と問題集を購入して独学する方法
2つがあります。
簿記という資格は、最初は専門用語が出てきたり、ちょっととっつきにくいためスクールなどの講義を受講することをおすすめします。
※参考記事:【簿記2・3級の勉強法】独学・通学・通信どれが最短合格できる?上場経理マンが解説
※参考記事:【厳選!】簿記2・3級のオンライン講座3選|現役経理部長のオススメ
経理の仕事をはじめるには
今回、経理の仕事内容を知って、「実際にやってみたい!」と思われた方は、経理への転職を検討してみましょう。
実際に経理へ転職するには、以下のステップを踏んでください。
①簿記の資格を取って経理の知識を得る
②転職のために履歴書を作成する
③転職エージェントに登録する
④求人に応募する
⑤面接して内定を取る
経理の仕事では、簿記の知識が必要となりますので、事前に「日商簿記3級」の資格を取ることから始めます。
その後、転職活動のために履歴書を作成し、未経験可の経理職への求人を紹介してもらうために、転職エージェントへ登録します。
そして、実際に求人に応募して、会社の書類選考・面接を受けて内定を取るまでが、経理の仕事をはじめるまでの流れです。
まとめ

経理ではどのような仕事をするのか、具体的に解説しました。
経理の仕事は、未経験者からできる仕事と、決算業務などといった経験を積まないとできない仕事があります。
いずれの仕事も、簿記の基礎知識が必要となるため、日商簿記3級の資格を取って事前準備をする必要があります。
※参考記事:【厳選!】簿記2・3級のオンライン講座3選|現役経理部長のオススメ
経理の仕事は、非常にやりがいがある仕事です。
また、専門性が高く、一生の仕事にすることができるのが経理の特徴でもあります。
しかし、未経験だと、経理に転職するのは難しいと思われるかもしれません。
でも大丈夫です。
転職エージェントに登録して、未経験可の求人を紹介してもらい、転職活動がうまく進めば経理の仕事を始めることができます!
※参考記事:経理の未経験者が転職エージェントを利用すべき3つの理由
この機会にぜひ、やりがいのある経理の仕事をしてみましょう。