税理士試験の申込者の減少が、8年間で4割減少…【税理士は魅力がないのか?減少の理由を考える】

資格

最近、資格の学校を運営するTAC株式会社より、事業の概況が公表されていました。

その中で、税理士試験の申込内訳の資料が公開されていましたが、税理士の試験申込者数が半端なく落ち込んでいるのが分かりました。

※ TAC「2021年3月期 第1四半期 事業の概況」より抜粋

上記の、2012年から2019年までの申込者数をみてもわかるように、申込者数が約4割減少しています。

IS課長
IS課長

申込者数が少ないということは、魅力がないと思われているのでしょうか!?

税理士試験の申込者数が減少している理由を、検証していきます。

税理士試験の申込者数が減少している理由

税理士試験の申込者数が減少している理由は、様々だと思います。

その中でも、特に、

● 税理士になれるまでの受験期間が長すぎる

● 経理のIT化が進み、従来の税理士は稼げなくなってきている

● 平均年齢が60歳を超える高齢化した税理士業界に、魅力を感じていない

このような理由が明らかになってきたことで、20~30代の若手が受験しなくなっていると思われます。

税理士になれるまでの受験期間が長すぎる

税理士試験ですが、以下の理由で合格するまでに時間がかかります。

● 合格するには5科目の試験に、それぞれ合格する必要がある

● 各科目においてそれぞれ、最低でも上位10%に入らなければならない、難関試験

● 1科目合格するには、最低でも1年間の勉強が必要(よほどの天才でない限り)

このような状況ですので、

1年に1科目づつ税理士試験に挑戦するだけでも、最低5年はかかるので、受験期間が長くなるなります。

すべての科目で、一度も落ちない場合は5年で済みますが、残念ながら不合格となった場合は、次の年も、また試験を受けなおすことになります。

普通は、そう簡単に順調に合格することはありませんので、結局、

合格までは、7年~10年はかかると見たほうがいいです。

IS課長
IS課長

私は、簿記論・財務諸表論の
2つの科目を取るのに3年かかりました。

このように、受験期間が長くなってしまうことから、若い人たちはもっと早く資格がとれる国家資格を目指すか、早期に違う分野を選ぶことが多くなっていると思われます。

IS課長
IS課長

長い期間、
受験するということはコストもかかりますので、
コスパが悪い、と思われていることも多いようです。

経理のIT化が進み、従来の税理士は稼げなくなってきている

従来は、法人の申告や記帳業務などを代行することが、税理士事務所の一般的業務でした。

しかし、昨今は全自動のクラウド型の会計ソフトが登場するなど、法人側で簡単に日々の経理処理ができるようになりました。

(マネーフォワードやFreeeなど、クラウド型の会計ソフトの発達が凄いです!)

IS課長
IS課長

中小の法人であれば、クラウド型の会計ソフトで十分使えます!

申告についても、完全な電子申告ができる環境が整ってきており、将来的には会計システムから申告書作成までできるような将来も見えてきました。

また、今後は、

● AIによる経理業務の自動化(たとえば、仕訳の自動起票など)
● RPAの活用によるルーチン業務の自動化

が実行されていくことが確実でしょう。

このような状況では、今までの税理士業務では稼げないのが目に見えていますので、

稼げそうにない税理士の試験は遠慮する・・・

といった流れになっているかと思われます。

ただし、全く稼げないとは思いません。

競争は激化すると思いますが、IT を駆使した税務サービスは今後伸びてくると思います。

IS課長
IS課長

ただし、ITに強い税理士は、
むしろ今後は稼げるようにも思います

私のところでは、今回電子申告の環境構築の際、税理士からアドバイスをもらうなどしました。

ITに関する、税務サポート業務は今後需要がありそうです。

高齢化した税理士業界に、魅力を感じていない

税理士業界は、平均年齢が60歳以上と示されています。

● 従来から言われている、国税OBから税理士になる人が多いため、高齢化しているという理由があります。

● 従来の税理士が顧客を囲っており、若手税理士では新規参入が難しいという理由もあるでしょう。

その他、日本の人口構成自体が高齢化しているためという理由もありますが、いずれにせよ複合的な理由で高齢化しています。

高齢化している業界は、今後の成長が見込めないのではと思い、結果若手が税理士試験にも興味を持たなくなっているのでは?とも考えられます。

ただし、今後は業務のIT化がさらに進みます。

現在の高齢化している税理士業界ですが、ITに強い若手税理士が活躍する場が広がってくる、そんな可能性はあります。

IS課長
IS課長

むしろ現在の高齢化の状況が、後々若手のチャンスになる可能性もあり!

まとめ

税理士試験の申込者の減少が、8年間で4割減少という状況で、今後もこの傾向が続くことが予想されます。

このように、

● 税理士になれるまでの受験期間が長すぎる

● 経理のIT化が進み、従来の税理士は稼げなくなってきている

● 平均年齢が60歳を超える高齢化した税理士業界に、魅力を感じていない

といった理由は、すぐには改善されるものではないでしょう。

IS課長
IS課長

このような状況は、
今後も続くと思われます

しかし、個人的には、以下の理由で税理士試験の勉強をおすすめします。

● IT化が進むことで、それに対応できる税理士が求められる

● 税理士になれなくとも、科目合格の勉強は経理実務に役立つ

● 科目合格するだけでも転職に有利

私自身、科目合格の勉強をしたおかげで、

・決算実務にも役立ってますし、
・転職では、科目合格しているだけで、書類選考が通る確率があることを実感しています。

IS課長
IS課長

私は、受験者数が少ないことをチャンスととらえ、
むしろ科目合格チャレンジしてみようと思ってます。

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