コロナ禍における経理処理 特別損失計上の事例

会計・税務

2020年3月以降、決算開示において、コロナ禍の影響による損失発生が増えています。

損失発生の原因ですが、大きく分けて2つの影響があります。

① コロナ感染拡大防止を目的として、政府・地方自治体が企業が店舗の営業停止、イベントの開催中止を要請したことによる損失。

② コロナ感染拡大防止を目的として、工場の操業を停止・縮小したことによる損失。

上記の損失は、
● 営業停止による固定費発生、
● イベント中止のために直接要した費用、
● 工場の操業度低下による原価増加、
などの臨時的な原因で発生します。

このように、コロナ禍の影響による臨時的な損失は、「特別損失」として計上が認められます。

決算上では、このコロナ禍の影響による特別損失はどのように表示されているのでしょうか?

コロナ禍の影響による「特別損失」の事例

多くの会社では、「新型コロナ」や「感染症」といった言葉を用いた科目を設定しているようです。

例えば、

● 新型コロナウイルス感染症による損失

● 新型感染症対応による損失

● 新型コロナウイルス感染症による操業停止に伴う損失

などといった、科目の名称を使用していますが、
一目でコロナの影響による損失だということがわかりますね。

ただし、特殊な科目であるので、EDINETタクソノミには登録がないでしょうから、上場企業で開示する場合、会社側で新科目として開示システムに登録する必要があるかと思います。

新科目を設定する際には、英語表記も設定しなければなりませんので、ちょっと面倒なところです。

「新型コロナ」や「感染症」といった言葉を使わない損失

「新型コロナ」や「感染症」といった言葉を使わないで、コロナの損失を計上している会社もあります。

例えば、

● 公演中止損失

● 災害による損失

● 臨時休業による損失

などといった、科目の名称を使用していますが、
これだと、コロナの影響による損失かどうかがよくわかりません。

その代わりに、損益計算書関係の注記に、新型コロナに係る損失であることを記載しているので、特に問題はないようです。

営業外損失で計上している事例

コロナによる損失について、営業外損失で計上している事例もあったようです。

その理由としては、

● 金額が大きくない(金額的重要性がそんなでもない)

● コロナ関連の給付金が営業外収入で計上されているので、それに合わせて営業外費用計上としている

● コロナによる損失ではなく、コロナを予防する費用であるため

などといった理由により、営業外損失で計上しているようです。

まとめ

今後もコロナの影響は継続するため、引き続きコロナによる損失計上も必要となってきます。

他社事例も確認しながら、監査法人と調整のうえ、自社のコロナ禍の影響による損失計上をどうするか検討する必要があります。

コメント

  1. […] […]

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