【経理処理】簿記で頻出する4つの経過勘定項目とは?

会計・税務

今回は、経理部員から良く質問される、
経過勘定項目の科目について解説します。

経過勘定の科目は、
どのような場合に使用すればいいかわかりません

経理実務では、日々、経過勘定の科目を使用する場面がでてきますが、
意外と科目の使い方を理解していない経理担当者、多いようです。

IS課長
IS課長

ここでは、経理で良く使わる経過勘定について解説します。

経理歴20年以上、現在東証一部上場企業の経理課長が、
間違いやすい経理実務の事例を解説していきます。

経過勘定項目とは?

経過勘定項目とは、

● 未払費用

● 未収収益

● 前払費用

● 前受収益

の4つの勘定科目をいいます。

経過勘定の定義ですが、
時間の経過によって発生する費用や収益を調整するための貸借対照表勘定です。

すべての費用及び収益について、
その発生した期間に正しく割り当てられるように処理するために使われる勘定科目です。

この経過勘定を使う理由ですが、

● すべての費用及び収益は、発生に応じて計上しなければならない。
● 発生状況を貸借対照表にも正しく反映しなければならない。

この2つの理由により、経過勘定項目を使わなければなりません。

未払費用とは?

未払費用とは、

一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、既に提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう。

このように定義されています。

例として、

給与や社会保険料等の未払があった場合、
未払費用という科目を使って未払額を計上します。

給与手当/未払費用

こんな仕訳ですね。

よく間違われる科目として、未払金があります。

未払費用で計上すべきなのに、間違って未払金で計上することがあります。

未払金ですが、

通常の営業取引以外の取引により発生する債務で、短期間にその支払いがなされるもの

と定義されています。

(例として、固定資産や一時的な経費などの未払額)

一方、未払費用ですが、

一定の契約で継続的に役務の提供を受ける場合、
すでに提供された役務に対して未だ支払われていない対価であり、未払金とは勘定科目の内容が異なります。

(例として、給与、社会保険料、後払い契約に基づく支払利息などの未払額)

未払金と未払費用を混同しないように注意しましょう!

未収収益とは?

未収収益とは、

一定の契約に従い継続して役務の提供を行う場合、既に提供した役務に対していまだその対価の支払を受けていないものをいう。

このように定義されています。

例として、

未だ入金がない貸付金利息等を、未収収益という科目を使って未収額を計上します。

未収収益/受取利息

こんな仕訳ですね。

よく間違われる科目として、未収入金があります。

未払収益で計上すべきなのに、間違って未収入金で計上することがあります。

未収入金ですが、

通常の営業取引以外の取引により発生する債権で、短期間にその入金がされるもの

と定義されています。

(例として、固定資産を売却した時、金額が未収となっている場合など)

一方、未収収益ですが、

一定の契約に従い継続して役務の提供を行う場合で、
まだ入金ががされていない時に、この未収収益という科目を使います。

例えば、
貸付は継続して行われますので、貸付に係る利息の未収は、未収収益で計上することになります。

未収入金と未収収益を混同しないように注意しましょう!

前払費用とは?

前払費用とは、

一定の契約に従い継続して役務の提供を受ける場合、まだ提供されていない役務に対し支払われた対価をいう。

このように定義されています。

例えば、
1年分の保険料を一括して払った場合、保険は1年間効力があります。

支払ってから残り1年間はまだ未経過の状態であり、保険料として費用できません。

この未経過の状態の保険料は、先に払った保険料として、前払費用で計上しなければなりません。

前払費用は、保険料の他に、
借入金利息(割引料を含む)、社債利息、保険料及び地代家賃等
を前払いした際にも使われます。

前払費用の科目を使うときの注意点

前払費用は、
費用を一時的に先払いする、「前払金」とは区別して使用する必要があります。

間違って、前払金の科目を使わないようにしましょう。

前受収益とは?

前受収益とは、

一定の契約に従い継続して役務の提供を行う場合、まだ提供していない役務に対し支払を受けた対価をいう。

例えば、
来月の家賃を1か月前に振り込んでもらうような場合、家賃は収益として計上できません。
(賃借人からは先払いしてもらってるだけで、来月にならないと収益計上できません)

この前受したの状態の家賃は、先にもらった家賃して、前受収益で計上しなければなりません。

前受収益の科目を使うときの注意点

前受収益は、
先にお金だけをもらって、後で商品を渡すような場合に使う「前受金」とは区別して使用する必要があります。

間違って、前受金の科目を使わないようにしましょう。

まとめ

経理を始めたばかりの方は、
この経過勘定という科目、どれを使えばいいか判断に迷うようです。

取引内容で科目の使い方が異なり、
難しく感じるかもしれませんが、少しずつ覚えていきましょう!

IS課長
IS課長

経理担当者でも、経過勘定項目の使い方を間違えることが多いです。
判断に迷う場合は、この記事を読み直してください。

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