事業譲渡と会社分割の違い【メリットデメリットも簡単解説】

会計・税務

会社の事業譲渡と分割の違いがよくわかりません

IS課長
IS課長

分かりやすく、
事業譲渡と分割の違いを解説します

中小、大企業、会社の規模に関わらず、
ビジネス上、事業の譲渡や会社分割を行う場合があります。

この事業譲渡と会社分割、
自社の事業を他社に譲渡するという点において、非常に似ています。

しかし、手続きの仕方や効果が違ってきます。

ここでは、

● 事業譲渡と会社分割の違いについて、表形式で簡単解説

● 事業譲渡と会社分割のそれぞれのメリット、デメリットも簡単解説

このような内容を解説します。

経理歴20年以上、現在東証一部上場企業の経理課長が簡単解説します。

最低限押さえておくべきポイントに絞って解説しますので、
記事の内容は、5分程度で確認できます。

事業譲渡と会社分割の違い

ここでは、事業譲渡と会社分割の違いの基本を押さえるため、一覧表で違いを解説します。

事業譲渡と会社分割 比較一覧(主な項目ごとに比較)

10項目ごとに、事業譲渡と会社分割の違いを比較しています。

事業譲渡・会社分割を検討する際には、まずはこの表でそれぞれの違いをチェックしてください。

事業譲渡または会社分割を検討する場合、
この基本となる違いを知ったうえで、個々の課題を深堀して実務を行っていく必要があります。

次からは、会社分割と事業譲渡のメリット・デメリットを解説します。

会社分割の主なメリット

会社分割の主なメリットは次のとおりです。

分割を選択するメリットとしては、まず、資金がなくても事業を移管できるという点です。

状況にもよりますが、資金の準備ができないために、事業を移管するのに時間がかかるという場合は、会社分割にした方が手っ取り早いといえます。

また、事業移管の際、消費税が発生しないのも大きなメリットです。

会社分割の主なデメリット

会社分割の主なデメリットは次のとおりです。

分割の主なデメリットは、手続き面が煩雑となることが多いことです。

分割では、
税務上、適格・非適格の判断をする必要があります。
(適格、非適格それぞれで税務処理が異なります)

また、債権者保護手続きや、商業登記が必要だったり、作業が増えるのがデメリットです。

さらに、分割では、契約や資産・負債を包括的に引き継いでしまうため、不要な資産や負債までも引き継いでしまうリスクがあります。

リスクがある負債など、内容を知らないまま引き継いで後々トラブルになる、
このようなリスクがあることがデメリットです。

事業譲渡のメリット

事業譲渡の主なメリットは次のとおりです。

事業譲渡を選択するメリットとしては、会社分割と比べて事務手続きが簡便的になることです。

債権者保護手続きだったり、商業登記が不要であるといった点ですね。

また、事業譲渡は当事者である会社同士で、譲渡する事業のどこまでを承継するかを検討します。
このため、事業を譲渡する側としても必要な事業(資産や従業員も含む)を残すことも可能である点で、融通が利きます。

事業譲渡のデメリット

事業譲渡の主なデメリットは次のとおりです。

会社分割のメリットが、事業譲渡ではデメリットとなっています。

まずは、
事業の買い取り資金が必要であることが、大きなデメリットではないでしょうか。
資金が準備できない場合は、事業譲渡が成立しませんので、大きな制約となります。

また、事業譲渡は資産を譲渡するという意味では消費税の課税対象です。
会社分割の消費税の扱いとは、異なることを理解してしておく必要があります。

それと、意外と大きいデメリットは、許認可を再取得しなければならない点です。

許認可が必要な事業の場合、再度許認可を取るためには相当時間がかかってしまうといったことになり、事業に大きな影響を与えてしまう可能性もあるため、要注意です。

まとめ

今回は、

● 事業譲渡と会社分割の違い

● 事業譲渡と会社分割の主なメリット・デメリット

について解説しました。

仕事で、事業譲渡や会社分割の検討をする場合、
まずは、事業譲渡と会社分割の違いを知ることからスタートしてください。

次に、違いを理解したうえで、メリット・デメリットを確認してください。

そのあとに、実際の事業譲渡や会社分割の実務作業を進める。
こんな流れとなります。

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